純金のネックレス。

純金の金具が使えなくなって修理にご持参くださいました。
本来は点対称の形をしたクラスプだったのですが、片方の赤丸印の所の「 つ 」の字形をした地金が折れて紛失してしまっている状態と分かりました。
純金地金をご用意して、同じ形に作り、ロウ付け修理します。
目方を量るためにチェーンから外しています。
折れて半分が無くなっていた純金のパーツを手作りしました。

純金を用意して、金鎚で丸い棒状に叩いてから、片側を叩き延ばして細長く加工。
純金地金を融かして金鎚で丸棒に形作り、残っていた本体と共づけして一体化させています。
折れて無くなっている金具のパーツを、初めはロウ付けして修理する予定でしたが、チェーン全体が純金製ですので、ロウを使わないで純金同士で共づけすることにしました。
開いたり閉じたりする箇所ですので、硬さが均一なそのほうが使い勝手が良いと思います。
1064度あまりまで昇温して上手く共づけできたので、余分の純金を削って、自然な形に加工しました。
丈夫さを求めてほんの少し大きく作っています。
このあとは照り出しのためと硬く締めるためのヘラ加工の段階に入ります。
もう少しで出来上がりです。

ヘラ加工で照りを出し、色上げして輝かせました。
ずっしりとした重量のあるネックレスです。鍛造パーツですので地金組織が緻密で粘りがあり丈夫です。また今まで通りお使いいただけます。
ご注文くださり誠にありがとうございました。