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ストーンカメオの金具が外れています

ストーンカメオ枠お直し

K18ストーンカメオブローチ枠の針を固定する軸が抜けてしまったとのことで、修理のご依頼です。

硬いところに落とされたらしくオニキスの端にヒビ割れが入っていました。
拡大してみると、埃などが隙間に付いていますので最近のことではないようです。
穴径の同じK18軸を新しく用意して、差し込んでからカシメる作業をします。

一部分にガムテープの粘着剤状のものが付いていたので、先にきれいにしているとカメオが枠から外れました。
石が幾つかのパーツになっていましたので、無くさないようにそーっと扱い、接着剤で固定してから軸の作業をしました。

しっかりと軸をカシメましたので、今度は抜けることはありません。

全体をきれいに磨いて完成しました。

ジュエリー メンテナンス / 岡田彫金工房



 

制作途中は意味不明…

地金作り

厚さ1ミリ、幅2ミリの長い地金を作りました。

素材やパーツを準備して、最終的に一体化して研磨して光らせ、宝石をセットしてジュエリーに完成させますが、制作の途中を見ても完成品のイメージは湧かないので、どうってことはないですね。

時々、途中を見たいとのお申し出を受けることがありますが、磨いていない段階なので輝いてはいなくて、またほとんど姿を現していなかったり、端材が付いていて形がまだ出来ていなかったり、一部を磨いて研磨剤で汚れていたり、ロウ付け途中で真っ黒に酸化していたり、硫酸液に浸かっていたり、超音波洗浄器の中に入っていたり…。
そのようなことで、制作途中をお見せしても喜びにつながるようなプラスになることはまずないので、申し訳ございませんが実物を見ていただくことはしていないのです。

もしお見せ出来るとしたら、9割以上が出来てほぼ完成に近づいてきた段階で、見ていただいても喜んでいただけるようにきれいに準備して、幾日か制作を途中で止めてご来店を待って、というような段取りを挟むことになります。

期待されているお気持ちは分かるのですが、どうかきれいに完成するまでお待ちくださいね。お楽しみに。

ジュエリー メンテナンス / 岡田彫金工房



 

手作りプラチナ結婚指輪 制作手順

プラチナマリッジリング制作手順

デザインによって作り方は毎回どこかが違うのですが、今回はこのように作りました。
基本的には、プラチナ地金鍛造から圧延工程を経て棒状にしたものを丸く曲げて指輪に作っていきます。

プラチナ地金をなましながら金鎚で叩き伸ばして、必要な幅と厚さまでローラーで加工します。
あとから削る分を見越して厚さや幅を少しだけ余分に作ってあります。

端から丸く曲げていってS字形に作り、真ん中でカットします。
この段階では、リングサイズは少し大きめにしています。

プラチナマリッジリングを作ったときの続きです。
左上から右上、左下へ。

姫路市で制作加工しているプラチナマリッジリング

S字形のリングをニッパーでカットします。スペースが無いときは糸ノコで。
チタンマリッジリングでもサイズが近い場合は同じ素材を横にふたつに分けてリングを作りますが、この場合は幅と厚みが同じマリッジリングのご注文でしたので、ひとつの素材を縦にふたつに分けてマリッジリングを作りました。ダイヤモンドでも最近はそういったペアがありますね。
上部がU字形になったデザインですので、この段階ですでに素材を曲げています。

ロウ付けをしないで、本体地金を溶かして継ぎ目を無くしました。
この段階では予定サイズより1ゲージあまり小さく作っています。

曲げたときにリング内側がゆがんでいますので、芯金に通し木槌で叩いて内側をサイズ棒に密着させます。
この時サイズはほぼ予定サイズに近いですが、ヤスリやキサゲ仕上げの分を見越して作っています。

全体をヤスリで削って基本形を整えます。

平甲丸タイプに作りますので、中目、油目ヤスリで形を削り出します。

キサゲ仕上げをします。

ヘラ仕上げをして地金を硬くし、光沢を出します。
溶接したとき以降には炎を当てていませんので、プラチナ地金は加工硬化してとても硬くなってきています。
ロウ目がありませんので、将来口が開くことはありません。

バフ仕上げをして平面や曲面を磨いてきれいに光沢を出します。
新婦様指輪には、ダイヤモンドの入る位置に穴を開けています。

このあとは、ダイヤモンドの石留めと内側の文字刻印をして、最終仕上げを丁寧に施して完成させました。

このような感じでいつもオリジナルハンドメイドのマリッジリングなどを新しく生み出しています。

ジュエリー フルオーダー/リフォーム 岡田彫金工房



 

マーキースダイヤが入ったエンゲージリング

ダイヤモンドプラチナエンゲージリングハートアンドキューピッドの最高クラスのダイヤモンド

S.K 様  S様

プラチナ立爪ダイヤモンドリングの両サイドにマーキースダイヤモンドが入ったエンゲージリングをご注文くださいました。

ハートアンドキューピッドの最高クラスのダイヤモンドが真ん中に入り、手づくり加工で両サイドの葉っぱ形のマーキースダイヤモンドをお入れいたしました。指輪の高さはできるだけ低くして使いやすくしてあります。

鳥取県からお二人で車で訪れてくださり、1か月余り後にきれいに完成し納品させていただくことが出来ました。

ご注文くださり誠にありがとうございました。

 

ジュエリー フルオーダーマリッジリング 岡田彫金工房



 

WG南洋真珠ブローチを 

南洋パールの軸が根元から折れて

南洋パールの軸が根元から折れてしまったので、とお手持ちジュエリーを修理するご依頼をいただきました。

レーザー溶接するにしても、真珠を外さないと作業が出来ない奥まった場所です。

トーチでロウ付けする時は、真珠とブローチに付いているマザーパールを外さないと炎を当てることが出来ません。
ロジウム仕上げも必要です。

軸を3割以上太くして、穴を開けた本体に差し込んで、もう折れないように丈夫に加工することにしました。

WG南洋真珠ブローチ

南洋真珠に刺さって残っていた軸をはずして、マザーパールをブローチ本体からきれいに取り外します。
先の細い部分まで折れずにきれいにはずすことが出来ました。

太い軸はプラチナで作ります。

ブローチ金具が鉄砲タイプ

ブローチ金具が鉄砲タイプになっていて、針を開閉する時にどうしても南洋真珠を押さえてしまう構造ですので、軸の根元に力がかかるようです。

折れて本体に残っていたホワイトゴールドの線地金とホワイトロウを削り取ってから、ブローチ本体にドリルで1ミリあまりの深さに穴を開けました。
こうして、ロウ付け面積を広くすることで丈夫さを確保します。

太く作ったプラチナ丸線を穴に差し込んでロウ付けしましたので長持ちすると思います。
南洋真珠の接着箇所は、丸線をギザギザにして抜けにくくしています。

WG南洋真珠ブローチ

ずーっと昔、ブランドもののブローチが壊れて修理に持ち込まれたことがあります。
見ると、接着剤が劣化して金具が外れただけ。
接着剤をしっかり付けて、固定できたものを納品しました。

お客様の一言。
接着剤がはみ出てるのね。

表から見えないところなので、接着面積を広くしようと思いましてきれいにはみ出させました。

それで終わったことでしたが、帰られる後ろ姿から、接着剤が見えない状態にしてもらって、どのように固定されているかが分からないようにして欲しかった、という心の声が聞こえたような気がしました。
見映え最重視ということでした。

それ以来、接着剤ワークにはかなり気を使っています。

1か所を固定するためには、固定接着、充填接着、化粧接着、と、時間をあけて3回接着剤を付ける作業をします。

瞬間接着剤を一滴1秒で付けて終わり、というわけではなく、品物のクリーニングをまず済ませてから三段階の接着作業に入りますので、いつもかなり時間がかかります。

基本は接着剤が縁から見えないことですが、必要な場合ははみ出させています。
接着ワークの最終仕上げには気を配っています。

このブローチは隙間の無いように見えるマザーパールの接着がポイントです。

ジュエリーリフォーム/フルオーダー 岡田彫金工房