ネックレスを繋ぎました

Italy製ゴールドネックレス

ゴールドチェーンの1コマが切れてネックレスが使えなくなったので、ロウ付け修理にお持ちくださいました。

拝見しますと、大きい丸カンに付いている1コマが口を開けていることが分かりました。

修理加工の手順を記しますと、まず最初に汚れや脂を取り去るための超音波洗浄をします。

水洗して乾燥させた後は、実際の加工工程に入ります。

開いてしまっているコマをピンセットで挟み、隣のコマを別のピンセットを使って引っ掛けて、上手く収まると、そのピンセットを使ってピッタリと口を閉じます。

ロウ付けが必要なコマを先細のピンセットで挟んで、必要箇所のみにフラックスを塗って、0.2ミリ角位の金ロウを置きます。

コマ自体が1ミリちょっとの大きさなので、非常に繊細な作業です。

フラックスを多く塗りすぎると隣のコマにロウが流れてコマ同士がくっ付き、チェーンがスムーズに動かなくなります。それでは失敗です。また、置いたロウの位置が昇温時に少しでもずれると、やはりコマ同士がくっ付いてロウ付けされてしまいます。

最適な大きさの極小ロウを最適な位置に置けましたら、バーナーの炎を当ててロウ付けの開始です。

小さな炎で炙らないと細いチェーンは溶けてしまいます。炎をぎゅっと絞って極小炎で1コマだけを昇温します。1ミリの上半分の0.5ミリ部分だけを赤くするという感じです。

上手くロウを流してコマの口部分だけをロウ付け出来ると100点満点です。

最高に綺麗なロウ付け加工ができると、あとは磨き工程です。

回転する布バフに研磨材を塗り付けて、チェーンをそっと触れさせ磨きます。

変な持ち方でバフ布に当てると、チェーンが回転布に絡め取られて、ブチブチに千切れてしまいます。お預かり品ですので、100回のうち1回でもそうならないように、充分な注意を払いながら繊細に磨き工程を終わらせます。

綺麗に輝かせることができますと、あとは洗浄して、乾燥させて、完了です。

折れたカギをお直し

カギをロウ付け
真鍮鍵をロウ付け

折れて使えなくなってしまったカギを修理しました。

お持ちくださったカギを拝見しますと、曲がり折れているので破断面が合いません。

そこで、基本的には凸部分になってしまっている所を削って擦り合わせをし、真っ直ぐな状態にしてから銀ロウ付けをしました。

接合部分は真鍮と銀の合金状態になり、丈夫に出来上がっています。

( 写真は、実物の形と長さなどの比率を変えて掲載しました。)

加工途中のコンビリング

右上に置いたプラチナパーツ

内側が18金で外側がプラチナのリングです。

指輪サイズを大きくするご依頼を頂きましたので、加工途中の写真を撮っています。

糸ノコで切り広げた指輪の内側に挟んだ18金地金のロウ付けが済み、次は外側用に作ったプラチナ地金のパーツをロウ付けします。

これは小さなプラチナをリングの右上に置いて様子見をしているところです。

ゴールドとプラチナが貼り合わさったリングは、熱膨張率の違うバイメタル状態ですので、ロウ付け時に指輪の温度を上げると金属が変に伸びて勝手に曲がってしまい、予定位置でロウ付けすることが非常に困難です。

この指輪のサイズ直しは出来ない、と技術者から断られることの多い種類の特別な加工作業をしています。

Pt1000リングを

プラチナ1000の刻印のあるダイヤモンドリングをお預かり致しました。リングサイズを数ゲージ大きくするご依頼です。

柔らかいはずの純プラチナ地金はお預かりした時点では硬い状態です。加工硬化させてあって硬いのか、それとも微量の合金になっていて硬いのか、判断できませんでした。

過去に、炎を当てるとヒビが拡がる地金や、曲がらない地金や、曲げると折れる地金や、ロウが流れずロウ付けが不可能な地金を経験していますので、その可能性がゼロでは無いことをお伝えして、その結果GOサインを頂きましたので、お預かりしました。

本日、無事綺麗にサイズを大きく加工することが出来ました。

あとはヘラ加工でヤスリ傷を潰して、バフ磨きを施す工程などが残っています。

もうしばらくお時間をくださいね。

タガネで彫金

金属表面に模様を彫る時は、基本的にはタガネを使用します。

刃先が摩耗してくると砥石で研ぎます。包丁や彫刻刀と同じですね。

右側のタガネはとても硬いハイス鋼で自作した、先端幅が0.4ミリの毛彫タガネです。

このような細いタガネになってきますと、砥石に当てて2往復も動かすと削り過ぎになってしまうことがよくあります。細心の注意を払って研ぎます。