Christian Diorのサングラスを

クリスチャンディオールのサングラス

クリスチャン・ディオールのサングラスを使えるようにお直しするご依頼をいただいていました。

ゆるくなって落ちてしまったネジは以前に別のネジで補修していたのですが、今度は黒いフレーム素材が折れてしまいましたので接着剤でとりあえずはお直ししました。

ところが、開いたり閉じたりの力がかかる部分ですので、すぐにまた壊れてしまいました。

ですので、今回はスチール線でコの字形のカスガイを作って、2か所の穴を開けたところへ差し込み、しっかりと接着しました。これで非常に丈夫になりました。
表側からは見えない位置ですので、きれいです。

日本家屋に多用されている地震対策にも有効な金具ですので、今度こそ安心してお使いいただけます。

蝶のリングがバラバラに

蝶のリング

ピンクゴールドとホワイトゴールドで出来たコンビリングの、上部の蝶と腕部分とが離れてしまったので直して、というご依頼をいただきました。

ロウ付けと光沢研磨とメッキを施すことできれいに修理します。

ダイヤモンドに直接トーチの炎を当てると、白っぽく変化して艶が無くなったり、黄色味を帯びてしまったりすることがあります。
産地の違いでそうなるのか、なにかが表面にコーティングしてあったのか、原因は不明です。
いずれにしても、宝石を扱う時は慎重に、です。

このblogは、将来消えてしまうであろうテクニックを記録していますので、レーザーでやれば簡単じゃん、なんて横槍はダメです。
キャストで作れば簡単、3Dマシンで切削すれば簡単、なんて、機械が無いと出来ない作業の紹介は極力省いています。
高性能なマシンに頼って加工することではなく、人間の目と手の可能性と素晴らしさに価値を置いてエントリを続けています。

ブレスレット金具の交換を

ブレスレット金具交換

プラチナブレスレットの中折れ金具が使いにくいので引き輪に交換して欲しい、というご依頼をいただきました。
写真に写っていませんが、引き輪というパーツはネックレスに一般的に付いている丸い金具のことです。

青い矢印位置でロウ付けを外そうとトーチの炎を当てると、赤い矢印位置のロウが先に溶けてチェーンが外れました。
こちらの方が融点が低かったようです。

このあと、真ん中のキャップ状になったパーツにチェーンの端を入れて再ロウ付けして、丸カンや引き輪やプレートを取り付けます。

片手でブレスレットの引き輪をつけにくい時は、手首をテーブルの上に置かれるか膝の上に置いてから着けられると、自重でブレスレットがずれ落ちてしまわないので作業が楽ですよ。

予定外に手間のかかるサイズ直しもあります

プラチナリングのサイズ大きく
過去にすでにサイズお直ししてある痕跡が3か所

プラチナリングを6ゲージほど大きくするご依頼をいただきました。

いつものようにサイズ直し痕があるかどうかを確認するために、先にトーチの炎で指輪下部を炙ってみます。

低い温度なのにオレンジと紫の矢印のところに3か所のロウ目が出てきました。

紫矢印の所ではロウが溶けてクランク状に段差ができてしまいました。
勝手にズレるということは、もともと地金の中に力がかかっていたということですね。

赤色部分の地金をそのまま使うとロウ付け箇所が4か所になってしまうので、結局、そこはノコ刃でカットして取り去ってしまいます。

グリーンの長さの地金を足す予定でしたが、ロウ付け箇所が少ない方が丈夫できれいですので、ロウ目を2か所にするために、青色のような10ゲージ分くらいの長いプラチナ地金を足すことにしました。
また、高温ロウを使う方がプラチナの含有量が多く、丈夫で良いです。

お客様のご存知ないところで行なう無料の追加加工、ほんの少お心遣いさせていただきました。

80センチのシルバーネックレスを

シルバーフック交換

スターリングシルバーのロングネックレスの引き輪金具修理のご依頼をいただきました。

丸カン部分が引っ張られて長く伸びてしまっています。

元のように形を丸く戻せば良いのですが、ネックレス全体に重量がありますので、少し心もとない感じです。

レーザーで溶かして固着してしまうこともできますが、引き輪が小さくて使いにくくなってきたとのことで、フック金具に交換することになりました。

丸カンが太く大きなしっかりしたものに代わりました。
また、プレート側の楕円形部分は円に近い形にして引っ掛けやすくしました。

925と打刻されるスターリングシルバーは硬さも程よく加工時の性質もとても優れています。
950のブリタニアシルバーはスターリングシルバーよりも柔らかく、900はコインシルバーで硬いです。

ジュエリー 彫金 Y.Okada 岡田彫金工房