左画像の赤丸印のように、シリコーンの入ったボールに引輪が付くネックレスが普通ですが、お客様のネックレスは右の青丸印のようにボールの所にプレートを付けました。
この方が使いやすい、とのことでしたのでロウ付け加工2か所を承りましたが、位置を変えてから実際に着け外しをしますと、こちらの方が確かに使いやすいと思いました。
ペンダントトップをチェーンから抜くことがなければ、これがお勧めですね。
( 2019/4/12 )
ジュエリーおかだ ショッピング/オーダーメイド/リフォーム/デザイン/リペア/地金買取
左画像の赤丸印のように、シリコーンの入ったボールに引輪が付くネックレスが普通ですが、お客様のネックレスは右の青丸印のようにボールの所にプレートを付けました。
この方が使いやすい、とのことでしたのでロウ付け加工2か所を承りましたが、位置を変えてから実際に着け外しをしますと、こちらの方が確かに使いやすいと思いました。
ペンダントトップをチェーンから抜くことがなければ、これがお勧めですね。
( 2019/4/12 )
宝石は、初めからこのようなヒビが入っていると、普通はジュエリーには制作加工しませんが、エメラルドだけは別格で、指輪やペンダントになります。
サイズ直しのご依頼がありました。
振動を与えず、石に力を加えず、そーっと糸ノコでカットし、そーっと地金を曲げ、そーっとロウ付けし、そーっとヤスリ加工し、そーっと磨き、そーっと洗浄し、そーっと乾燥させました。
普通の何倍も長く時間がかかりました。
ヒビが大きくなることも無く、割れて爪から外れてしまうことも無く、まったくのノーダメージで上手くサイズ直しできました。
休憩。
・・・・・・・・・・・
リメイクのご依頼を承った別のエメラルドジュエリーです。
日本の高度成長時期にお求めになられたかなり立派なお品で、リングのエメラルドが特に美しいです。
ペンダントに付いている三角形のバチカンは、外さないでそのまま下に向けて耳元で揺れるチャームとされるご希望でした。
加工制作に入る前にエメラルドの確認をします。
ルーペで拡大し子細に見てみると、ペンダントのほうは4本とも爪が浮いて、エメラルドとのスペースに接着剤が充填してありました。
リングのほうの爪は全部プラチナ地金で石留めされていました。
これはアラ探しをしているのではなく、加工中に割れる危険性が一番高い宝石であるエメラルドの全体像を把握して、安全にリフォームするための下準備なのです。
エメラルドは工具で力を加えると、フォークの背で瓦煎餅を押したようにクシャっと割れます。
この宝石は、加工する者にとっては非常に怖い宝石で、慎重の上にも慎重に注意深く取り扱うべき貴石なのです。
ペンダントのほうはうかつに爪を起こすと、接着してあるあたりの一部がピシッと欠けたりします。
安全を模索しながらいろいろな手を加えて、エメラルドを枠から外せるまでに丸2日の時間がかかってしまいました。
天然エメラルドは、宝石の内部などにヒビや内包物があっても普通のこととされる宝石です。
宝石の全てをあらゆる角度から時間をかけて充分に眺め尽くして、心を決めてから作業に取り掛かりました。
ジュエリーリフォーム/フルオーダー 岡田彫金工房
ずっと以前にお買い上げいただいたデザインネックレスが一か所切れたので、お直しにお預かりしていました。
イエローゴールドの赤い丸印あたりがロウ付けか所です。
隣同士のボールとボールをロウ付けしてつなぎました。
昔はボールの直径が1.5ミリとか1.2ミリが普通でしたが、最近は0.8ミリとか0.7ミリとかの大きさが
一般的になっています。
ボールチェーンのロウ付け修理の方法はいくつかあります。
ボールの口が開いてしまっている場合や、ボールの穴が大きくなってしまっている場合や、ボールがつぶれている場合や、軸が曲がって抜けている場合や、軸が折れてしまっている場合や、軸が無くなっているなどのケースがあります。
条件がさまざまに違いますので、隣同士のボールを直接ロウ付けする時や、口の開いた片方のボールの口を閉じてからそのボールの口だけをロウ付けして軸は動くようにする時や、軸をはめ込んでから穴を小さく締め付けることで元どおりになるように修理することもあります。
他からもまだ何種類かのボールチェーンのデザインネックレスお直しをお預かりしていますので状態をよく確認してから対処します。
K18イエローゴールドのシェルカメオ枠が壊れたので、修理のご依頼を頂きました。
まずはブローチ枠に嵌まっているシェルカメオを枠から外します。
そのままK18地金に火を当ててロウ付けすると、シェルが焼けてしまうからです。焼き蛤や焼き牡蠣の殻のようになってしまいます。
爪が折れることもなく、シェルカメオを無事にきれいに枠から外すことができました。
爪のロウ付けも無事に済み、次はブローチ金具が付いている台座をカメオ枠にロウ付けします。
このロウ付け位置はとても大事で、少しでもズレるとシェルカメオがゴールド枠にはまらなくなります。
無理矢理にはめると、使用中にもいつもどこかに力がかかり、そのうちにシェルの一部分が欠けるようなことも起こり得ます。
慎重にロウ付け位置を決めて、そこからズレないように慎重にロウ付けします。
全体の爪をロウ付けしたことは、実は、地金内部のストレスを解消したことと、爪の補強をしたことの二重の意味があります。
枠の内部にストレスが溜まっているときは、昇温で地金が伸びてロウ付けしたい位置がズレていき、なかなかうまくできないことも多いのです。
その個所が頑丈になるように、外側と内側もロウ付けしました。
このあとは酸洗いをし、酸化皮膜を取り去ってきれいにし、磨き工程に入ります。
機械で磨くときは、1秒間に50回転ぐらいしている布で磨きます。
布の繊維に絡め取られると、振り回されたあげくに研磨機のあちこちに衝突して枠がグジャグジャになります。
そうならないように特に慎重に磨きます。
K18ゴールド枠の下磨きが完了。
シェルカメオを注意深くはめ込み、爪をそーっと曲げて倒して4本ともシェルと接触させてカメオが動かないように固定しました。
ことあとは、シェルや枠に力を加えないで、軽〜く布バフを当てて仕上げ磨きをいたしました。
ジュエリー メンテナンス / 岡田彫金工房