お預かりしていたアクアマリンのK18イエローゴールドのリング。
サイズを大きくするご依頼を頂いていましたので、リング下部をノコ刃でカットして、大きく広げて、間に必要地金を挟んでロウ付けしました。
気がつくと、先ほどまでは無かったヒビがリング地金の肩辺り内側に出来ていました。
18金地金は、普通は展延性があり粘りがありますので、この程度の曲げ加工でヒビが入ることは少ないです。
キャスト製品の場合は、鋳込んだ地金が固まる時の具合で巣が入る場合とか、予定外の金属が紛れ込んでいたりした場合とか、地金に曲げる力が加わった場合にデザイン的に無理がある時とか、などのなんらかの原因で後からの加工時にヒビが入ることもあります。これは製品を制作したメーカーの人達も、この結果を指摘されるまでは予想もしていない事です。
ロウ付けは滞りなく出来ましたが、ヒビから12ミリ離れた位置にアクアマリンがありますので、石に900度位の熱が回らないように素早く昇温してロウ付けする必要がありました。
1度目のロウ付け作業では80点程度の仕上がりでしたので、もう一度ロウ付けして完全にヒビを埋めることが出来ました。
この後は余分な地金をヤスリ加工で取り去って、仕上げの工程に入っていきます。